キリンの斑論争と寺田寅彦
キリンの体のまだら模様は胎児期に皮膚が裂けて(?)できたものではないか、という、今考えれば謎の理論とその反論のお話しです。時代は 1933 年と言うのので、昭和 8 年の話しです。何と昭和 8 年!
今の感覚でいうと、そんな事は有り得ないように思えますが、でも、「有り得ない」と思われていたことが後で真実だと判明することもあるので、何事も冷静に、科学的視点で論理適に(←重要)判断することが重要ですね。
しかしそれでは、動物の体の模様はどうやってできるのか、そのメカニズムを説明する理論はまだないのですか? この辺の話しは第二部で出てきますが、今後の課題なのかも。
第2部の風紋の話しで、解決不能と思われる事象が出てきたときの対処として、
1.あきらめて別の解決できそうなものに取り組む
2.完全に解決することはあきらめ、できるところだけ解決することに取り組む
の2種類が挙げられています。解決不能と思われることは、そのように認識して、「一度あきらめる」というところが面白いですね。
キリンの体のまだら模様はまだ「1」なのかも。
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