弥勒
栗本薫唯一の私小説だそうです。
彼女には弟がいたんですね。しかも重度の障害者だったとは。
この本はその弟について、彼女の心情を吐露したものです。
その内容は、、、
愛、憎、嫉妬、悲しみ、怒りなど、あらゆる感情のない交ぜになった心情がほとばしります。何とも激烈な言葉が続きます。読むのが辛くなるほど。
そしてこの弟の存在がその後の著作にいろいろ影響を与えていると思われます。(グインサーガでは何故リンダ(姉)とレムス(弟)の双子だったのか、とか、恐怖の象徴として赤子(のようなもの)が出てくるのか、など。)
そういう意味ではこの本に書かれた心情が彼女の原点とも言えるのかもしれませんね。
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