新型レガシィ・ツーリングワゴン その2
前にレガシィの事書いたときにパーキングブレーキが足踏み式って書いていますね。足踏み式ではありません。右手押し式(?)、つまりボタン式ですね。ボタン押してブレーキオンで、アクセル踏めば即座にオフになる、という優れものです。
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モーターファン別冊「レガシィのすべて」買ってみました。
実はこの「〜のすべて」シリーズ買うの久しぶりです。
やはりライターの人も新型の変わり具合はちょっと微妙なようで、苦労して文章書いてるなぁということがよくわかります。笑
この本で面白かったのは、レガシィの開発責任者日月(たちもり)丈志さんの話が載っているところです。新型はてっきり高級車路線に歩を進めて、しかしその他の高級車たちには今ひとつ敵わず、なんだかなぁというクルマになってしまったのかと思いきや、決して高級車を目指したものではない、と。そんな事想像もしなかった、と。うん、それならわからないでもない。(でもこれが言い訳じゃなければ良いんだけども。)
レガシィは2代目から3代目に変わったとき、デザインも今ひとつだし、ちょっと路線も変わったのか?何だかなぁ、と思っていたのですが、しかし結局私はその3代目を買ってしまいました。新型もそうやって、4年、5年後にどう評価されるか、ということですかね。今回は不安も多いんですが。
「レガシィのすべて」では、仮想ライバル車との比較がいつもあるんですが、今回は、アコードとアテンザ、パサートです。しかし気がついてみると、比較できる国産車ではワゴン車はもう絶滅寸前なのですね。みんなミニバンと SUV になってしまった。まぁオデッセイなんかはワゴンみたいなもんだという言い方もできますが、それにしてもひどい状況なのですね。あらためて驚きました。何でこんなになっちゃったんだろう。(レガシィが駆逐してしまったのかもしれませんが。)
新型ミッション CVT が、2.5 リットルの NA 車にしか組み合わせがないのは、てっきり処理できるトルク容量の関係かと思っていたのですが、さにあらず、コストと重量の都合で 2.5 リットル NA 車にしか組み合わせなかった、のだそうです。でもこれは額面通りには受け取れないですね。きっと工数が足らなくて開発が間に合わなかったに違いない。たぶんマイナーチェンジで、3リットル車が出てきて、それと組み合わされるに違いない。そんな気がします。
いつもレガシィのマイナーチェンジは「マイナーチェンジなのにここまでやるか」みたいなマイナーチェンジのことが多いので、今回も3年後に期待かもしれません。おもちゃっぽいメータとか、たぶん改善されるし、3リットル+ CVT も出るに違いありません。そういや、ヨーロッパ向けに用意されているディーゼルは今回何の話しもなかったし、ハイブリッドも出るという話しがあります。
(確かに、今のレガシィも買ったのはマイナーチェンジ後、半年後のことだったよなぁ。。。)
こう思わせてしまうところが、新型の微妙なところかもしれません。見方を変えて、レガシィじゃなくって、全く別なクルマだと思ってみると、なかなか良いクルマだと思うんだけど。「レガシィ」という看板はやっぱり重いんですね。
閑話休題。
「レガシィのすべて」の技術解説に戻りますが、今回ボディの設計では「静剛性(絶対値)だけでなく、荷重がかかった際のボディの時間経過を考慮した変形の仕方(動剛性)」を考えて設計してあるそうで。
福野礼一郎著 クルマはかくして作られる3 という本があって、これも先日読んだのですが、この本の終わりの方で GT-R のボディ設計の話が出てきます。
ここでも似た話が語られていて、ニッサンでは、GT-R のボディを設計する際に、入力に対して時間を考慮したボディの変形がリニア(直線的)になるよう設計したのだそうです。これが操作のダイレクト感や、コーナリングの際のボディのしっかり感に繋がるそうです。想定走行速度が速くなればなるほどこの辺の人の感性に訴える特性が重要になるため、GT-R では特にこの思想が重視されたとか。これは入力があってからホンのコンマ何秒かの話しですが、人のセンサーはこの辺も敏感に感じ取ってしまうのですね。
そのため GT-R では、プレスパネル1枚1枚の面積を極力大きくしてパネルの継ぎ目を減らし、高張力鋼板を使わず通常の鋼板で大きな箱形状を作り、形状で剛性を出すようにした。とのことです。またニッサンが解析したところ、GT-R の仮想ライバル車ポルシェ 911 が正にそのような特性を目指して(既に)設計されていることがわかったそうです。
新型レガシィがリニアな動特性を目指していたのかどうかまでは「レガシィのすべて」では語られていませんが、奇しくも旧型比で高張力鋼板の使用割合が減っているとか。「レガシィのすべて」では、これをコストアップや製造エネルギーの増加を防ぐ、または高価な材料に頼らなくても良いだけの技術力がある、という風に結論づけていますが、しかし実際はそうではなく、ここには GT-R のボディ設計と同様の思想があるのではなかろうか、と思ってしまいます。
実際の所はどうなんでしょうね。
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