タモリの Tokyo 坂道美学入門
西日本(岡山)出身の私にとって「関東平野」とはすごく広大な平野をイメージさせるものでした。地図見ると東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬まで、広〜く平野地帯が広がっています。そもそも「平野」とは、(少なくとも私にとっては)浅瀬を干拓して作った広大な田んぼのような、見渡す限りの凸凹のない平野をイメージさせる言葉でした。関東平野とはなんと広大な平野なんだろう。これだけ広けりゃ、そりゃ人も集まるわなぁ、などと勝手に思っていたものです。
しかし実際東京に住んでみると、結構凸凹していることに気がつかされます。何か坂道多いぞ、と。しかも東京は細い道が多いのです。クルマで走り回るのには最悪な感じですが、ぶらぶらと歩き回るのには良い感じです。
もう結構前になりますが、テレビの「タモリ倶楽部」で「坂道」をネタにしている回がありました。この時が私と「坂道」の初めての出会いかもしれません。をを!こういう見方があるか!みたいな。それ以来坂道は何となく気になる存在でありました。そのときのタモリ倶楽部では、私の家の近くの坂道が取り上げられたことも影響しているかもしれません。
その後しばらくしてある本屋でふと目にとまったのがこの本です。
写真付きで都内のすばらしい坂をタモリ自らの言葉で紹介し、またその周囲の状況、立ち寄りスポット、巡回方法(ルートガイド)なども掲載され、まさに至れり尽くせりの本です。特にタモリの解説が蘊蓄に溢れ、坂に対する慈愛に溢れ、大変すばらしい。坂道愛好家(そんなのいるのか?笑)には是非ともお勧めしたい本です。
坂道愛好家でなくても、歴史、特に江戸の歴史に興味ある人には楽しいかもしれません。
しかしこれだけ語れるタモリが「日本坂道学会副会長」なのだそうで。あとがきで語られますが、この学会にはさらに会長がいます。某出版社の重役だそうですが、どんな人なのか、ちょっと興味ありますね。
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