エイリアス、シンボリックリンク、ハードリンクとジャンクション

iTunes のライブラリは、デフォルトでは１台目のハードディスクの自分のホームフォルダのミュージックフォルダ以下に設定されています。でも１台目のハードディスクはシステムとアプリケーション専用にしておいて、データの類いは２台目のハードディスクに置きたいと思いました。

iTunes 起動時に option を押していると、ライブラリの位置を変更することができます。この機能を使えば簡単に２台目のハードディスクのフォルダを新しいライブラリとして指定することができます。でもこうすると、せっかくホームフォルダ以下に設定されているミュージックフォルダが全く使われないのです。なんかそれ、もったいない気がして、なんとかそれも生かしたいですよね。

Mac ではファイルやフォルダを別の場所から参照する「エイリアス」が作れます。エイリアスは OS/2 のシャドゥや、超漢字の仮身のように、本体の移動に追従するんですね。で、２台目のハードディスクに作った iTunes のライブラリにしたいフォルダのエイリアスを作って、ミュージックフォルダへ移動すれば、ここから２台目のハードディスクのライブラリが参照できて、いっちょ上がりです。簡単簡単。

しかし、Finder 上ではそれで終了ですが、Parallels Desktop 上の Vista のエクスプローラからミュージックフォルダを見ると、エイリアスは「エイリアス」と表示されて、それ以下の場所を参照することができません。（下図の「iTunes のエイリアス」。）

ま、参照できなくて問題ないんですが、なんか悔しい。そこで、シンボリックリンクを使ってみることにしました。ターミナルのウィンドを開いて sudo su して ln コマンドを使います。２台目のハードディスクの iTunes フォルダからここへリンクを張りました。上の図の iTunes とフォルダのように見えているのがそれで、開くとさらに下位のフォルダへアクセスできます。

Vista 側からは２台目のハードディスクへアクセスしていることは全くわかりません。うん。これでＯＫです。満足満足。iPhoto のライブラリ作るときや、Document フォルダに実際にデータ置くときもこれ使いましょう。

シンボリックリンクはエイリアスと違ってリンク先の移動などには追従しません。ウィンドウズのショートカットと同様です。Mac だけで使っているとエイリアスだけで十分なんでしょうね。（だから GUI で設定できるようになってないのでしょう。）

その他に同様の機能で、ハードリンクというものもあります。もともと UNIX の機能ですが、UNIX である Mac にもあります。なんか、１つのファイルに複数の名前を付けて、別のファイルとしてアクセスすることができる機能のようです。どういうときに使うんでしょう。あまり使い道が想像できません。謎です。

ちなみに、ウィンドウズでもシンボリックリンクは利用できます。また似たような機能で、ジャンクションという機能もあります。

WindowsXP ではユーザごとの設定は、C:¥Documents and Settings フォルダの下にユーザごとのフォルダができてそこへ格納されます。全ユーザに共通の設定は同じく C:¥Documents and Settings¥All Users フォルダの下に格納されます。
しかしこれが Vista になると、ユーザごとの設定は C:¥Users（エクスプローラ上の表示は「ユーザー」）、全ユーザ共通の設定は C:¥Program Data フォルダ以下に格納されるように変更されています。しかし、過去のバージョンにしか対応していないアプリケーションへの互換性のために、C:¥Documents and Settings フォルダがジャンクションとして C:¥Users に接続するように設定されています。

古いソフトは、C:¥Documents and Settings 以下へアクセスしているつもりで、実は C:¥Users 以下へアクセスしている、という訳なんですね。

しかし、Vista でエクスプローラを表示すると、このようなジャンクションがたくさん見えます。下図の小さな矢印の付いたアイコンがそうです。でもエクスプローラでジャンクションを開こうとすると、なんと開けないんですよ。

しかしコマンドプロンプトから cd コマンド使うとアクセスできます。
そのため、エクスプローラにはこのようなアクセス不可フォルダのようなものがたくさん見えてしまいます。これで良いと思ってるのかなぁ。何とも美しくない。何でこんな状況でリリースされたんでしょうか。